米空軍のオスプレイCV22の配備も懸念される横田基地。首都圏に広大な米軍基地(横田、横須賀など)を抱えるのは日本以外にありません。
いま横田基地は、アメリカの軍事戦略にとってどんな位置をしめ、それはまた都民にどんな影響をもっているのか・・・・・・ 東京平和委員会岸本正人事務局長に話を伺いました。
海外駐留米軍の体制を見直す「米軍再編計画」のもとで、日本では「抑止力」を維持し、日米同盟をさらに強固なものにする「在日米軍の再編」がすすめられ、米空軍横田基地には、昨年3月に府中市から、航空自衛隊航空総隊司令部が米第5空軍と併置するかたちで移転しました。
航空自衛隊航空総隊司令部は、航空自衛隊の戦闘機部隊や高射部隊、警戒管制部隊などを指揮する部隊で、米第5空軍との間に「共同統合運用調整所」が設置されました。これは、米軍と自衛隊が24時間体制で、防空・ミサイル防衛などをはじめとする様々な情報を共有して、連携強化を目的にしたものです。
横田基地に新設された航空自衛隊航空総隊指令部の建物と米軍第5空軍指令部は地下でつながっています。
まさに米軍と自衛隊が、司令部機能を統合し、基地の共同使用や共同演習の拡大、情報・通信や作戦と運用の一体化をより一段とすすめようとするものです。
共同統合運用調整所は、作戦命令を出す権限はありませんが、収集した情報などをもとに作戦の立案までおこなうことになるでしょう。まさに米軍と自衛隊が一体になって海外での共同作戦を可能にする態勢づくりの拠点に横田基地がなります。 ケニー司令部ジャパンは当面、「ミサイル防衛」(MD)を通じて、米軍と自衛隊の融合・一体化を計画しており、自衛隊が「米太平洋空軍の神経系統の中心」(在日米軍司令部)であるAOCの情報や計画に基づく「ミサイル防衛」作戦に自動的に動員される危険が指摘されています。
われます。 しかし嘉手納基地への配備は、地元の根強い反対があり、横田基地への配備構想が浮上したのだと思います。
オスプレイは事故が多発している危険なもので、8月には海兵隊オスプレイが米国ネバダ州で重大事故を起こしました。
しかし米空軍のオスプレイ横田配備は、墜落の危険や騒音問題にとどまらないんです。横田基地の危険な役割がいっそう重大になることも見ておく必要があります。
米空軍のオスプレイは、海兵隊仕様のオスプレイにはない地形追従レーダーを保有しています。夜間の低空高速侵入が可能であり、特殊作戦用なんです。つまり特殊部隊を相手国に送り込んだり、撃墜された戦闘機パイロットの救出などの特殊な任務を負っています。したがって、特殊作戦部隊や空中給油機も横田基地に配備されますし、実戦の場合には特殊任務をもって横田基地から飛び立つことになるでしょう。
単に輸送機が配備されるんではないんです。
この点も知っておいて欲しいと思います。
しかも空軍オスプレイは、特殊作戦用ですから訓練も夜間や超低空の長距離訓練がおこなわれ、事故への危険度や騒音はいっそう重大です。
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オスプレイの横田配備
7月に米太平洋空軍のハーバート・カーライル司令官が、空軍仕様の新型輸送機CV22オスプレイの配備先について、嘉手納基地とともに、横田基地の可能性について言及しました。
横田基地周辺自治体などから「オスプレイを配備するな」の声があがっているのは当然です。
米空軍は、米本土以外へのオスプレイ配備は、ヨーロッパとアジアの各一カ所ずつとしており、ヨーロッパは既にイギリスに配備されました。残るアジアでは、韓国・鳥山(おさん)基地が候補地から外れたと言われ、日本の嘉手納、横田両基地への配備の可能性に言及したものと思
いま日米政府は、在日米軍も参加する南海トラフとの防災訓練にオスプレイも参加させようとしています。このねらいは、「防災に役立つオスプレイ」というイメージを国民にうえつけ、日本全国でのオスプレイ訓練を強行しようというものです
人口密集地の横田で 危険な訓練が増大
いまでも横田基地では、さまざまな演習がおこなわれています。
例えば8月19日〜23日横田基地で、Cー130H編隊飛行訓練やパラシュート降下訓練がおこなわれました。このパラシュート訓練は、沖縄の陸軍第1特殊作戦群(グリーンベレー)で、横田基地での降下訓練は沖縄よりも多く、昨年は600人を超える兵士がパラシュート訓練を実施しました。
この訓練中に横田基地外に降下パラシュートが落下したという目撃情報もあります。
横田基地なくせと憲法改悪の運動を
オスプレイの横田基地配備は、墜落事故の危険性や騒音など周辺住民に耐え難い被害をもたらすもので、周辺自治体などでも反対の声が広がっています。
こうしたオスプレイ配備反対の広範な共同をひろげながら、そのなかで横田基地の危険な役割や安倍政権の集団的自衛権や憲法改悪の危険な動きをしらせていくことがいよいよ大事だと思います。
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