HOME | 東京非核政府の会第28回総会(2013年12月1日)で採択された 2014年度活動方針 |
[1]はじめに 総会の意義と目的 本総会は、現在開会されている臨時国会に象徴されているように安倍内閣と国民の願いとのきびしい相克とたたかいのなかで開催しています。 消費税の引き上げ、社会保障・解雇規制の改悪などの国民生活破壊や国家安全保障会議」の設置、「特定秘密保護法」などの平和と民主主義への挑戦は、私たちにとって看過することができません。 また新たに横田・厚木両基地へのオスプレイの配置や横須賀での原子力空母ジョージワシントンの母港化を含め首都圏の基地機能の強化と日米軍事一体化の策動もすすめられています。 会は、「核戦争阻止」、「核兵器廃絶」など、会が掲げる「非核5項目」(題字横参照)にもとづく合意を広範な都民とともに形成し、また昨年の総会では「すべての被ばく者救済」の観点から、「原発なくせ」の方針を決定しましたが、この二つの課題を統一して取り組むことが求められています。 安倍政権は、「核抑止」論に固執し、また非核三原則の一つ「持ち込ませず」すら曖昧にしようとしており、原発の再稼働や首相自身が原発の輸出のセールスマン化しているなどの許し難い態度をとっており、会の運動のいっそうの強化が求められています。 同時に、私たちはこうした二つの課題で大きな世論形成に取り組むとともに、「特定秘密保護法」の廃案など、戦争につながるいっさいの策動を許さない闘いとの大きな共同、一致点での共闘の積み重ねから非核の政府・非核の東京の実現をめざす統一戦線の一翼を担って奮闘することが求められています。 東京では、先の東京都議会議員選挙で日本共産党都議団の議席の倍加や平和首長会議に参加する都内の首長が57lになり、その自治体の住民は1026万人、東京の総人口の78lに達しています。 私たちは、こうした事実に励まされながら、会の活動と組織をいっそう強化し、常任世話人会の拡充、青年層との共同などをすすめます。 [2]大きく進む核兵器廃絶のながれ 2015年NPT再検討会議が1年余後に迫りました。 国連総会のハイレベル会議は、核兵器禁止条約の交渉を速やかに開始することを世界の多数の参加国で呼びかけています。 これは、「核兵器が人道にもとる」とする国際的な合意に基づくものです。日本政府は、こうした34ヶ国及び赤十字などを含む多くのNGOの賛同を拒否し、被爆国にあるまじき態度をとりましたが、その後国内外の批判をうけ、国連総会での決議に賛同するに至りました。しかし、その後、この決議に反する決議への賛同や菅官房長官の談話にみられるように、アメリカの「核の傘」、「核抑止」論の政策を変えようとはせず、大きな矛盾にさらされています。 核保有大国は、2010年NPT合意である核兵器廃絶のための国際条約の成立に消極的態度をとり続け、その成立を妨害する役割を果たしています。 核兵器廃絶の国内外の世論の高まりの背景には、第1に原水爆禁止世界大会の成功と大会が提唱した核兵器廃絶を求める数次にわたる大きな署名運動に結集した世論があります。 もうひとつは、広島・長崎の悲惨な被曝の実相を広め続けた被爆者の運動です。 私たちはいま、2015年NPT再検討会議にむけて「核兵器廃絶をすみやかに開始すること」を求めてこうした運動の到達点に確信をもち、活動をいっそう広めることが重要です。 そのためにも安倍政権の「核抑止」論の欺瞞性を広く暴露していくことが求められています。「核には核」という「抑止」論は、国際紛争は平和的話し合いと外交努力で解決するという国際的な合意に反するものです。 米国高官も「最悪の大量破壊兵器である核兵器は、誰が米大統領であろうと人道的見地から、その発射指令を出すことはできないであろう。まさに使うことの出来ない核兵器はそれ自体抑止力に成り得ない」と発言しているように「核抑止」という考え方は、事実上破綻しています。 会は一日も早い核兵器廃絶の国際条約の締結とそのために速やかな交渉を求めるとともに被爆国日本政府が自らの「核抑止」論をあらため、こうした運動に積極的な役割を果たすようつよく求めるものです。 本総会ではドイツにおける原発廃止に至る経過についても学習することにしました。 ドイツでは脱原発のために設置された委員会は、倫理をキーワードにその結論に至りました。 いま、危険な原発廃棄物の処理方途もみつからず、10万年後までその悪影響を及ぼす廃棄物の埋め立て処理にも地震国日本にはその立地条件は存在しません。 なにより福島第一原発の事故処理、汚染水対策や除染などのメドがたたないまま、原発の再稼働や新たな建設など許されるものではありません。日々高まる脱原発、原発なくせの声と大きく連帯しましょう。 [3]原点を大切に、いっそうの活動の強化を この1年、会は常任世話人会議や事務局会議の定例開催、毎月のニュース発行など着実に活動をすすめてきました。 自治体との懇談も機会ある毎に要請してきましたが、昨年は新宿区、千代田区の2区との懇談にとどまりました。 原水爆禁止世界大会には、多くの協力をえて2名の青年の派遣を実現し、すくなくない常任世話人が参加しその成功のために貢献することができました。 「核抑止」論克服のために、青年層などへの影響などの意識調査を企図し労働組合の協力を得てすすめていきます。 「非核神戸方式を東京にも」、こうした願いを込めて関東ブロックの交流会が栃木の会が幹事となって開催されました。各県の豊富な活動経験を交流することができました。(明年は埼玉で開催) こうした1年の活動をふまえ、何よりも層の厚い世話人、常任世話人の結集に努力します。総会を契機に青年層をはじめ、多様な方々への呼びかけを強めます。 [4]条件を生かした活動を 東京都議会では、会に参加する共産党の都議団が倍加しました。 こうした状況の下、東京都に対して「非核東京宣言」の実現を迫ります。 2020年東京オリンピックの誘致が決定しましたが、オリンピックを文字通り平和の祭典にするために、東京都が核兵器や危険な原発のない社会をめざすことが求められています。 同時に過半数を超えて平和首長会議に参加されている各首長ともいっそう懇談の機会を設けます。 先に再選された武蔵野市の邑上市長さんは、その主要な政策に核兵器の廃絶や脱原発を訴えました。 2015NPT会議の成功や、2020年までに核兵器廃絶を実現したいとする平和首長会議の願いを、この東京から大きく広げるために、何よりも非核自治体の存在と市民運動の広がりが求められています。 自治体の平和施策の前進と市民との共同を積極的に推進します。 「オスプレイはいらない」首都圏集会も大きく成功しました。会は、横田・厚木基地や横須賀など日米軍事同盟の要を担っているこうした課題にもどづく運動とも積極的に連帯し、「核戦場化につながるすべての措置の阻止」とする会の方針にもとづき、憲法改悪やそれを内実的にすすめる安倍内閣の策動を許さないために全力をあげます。 [5]まとめ 会は、なによりも活動のマンネリ化を脱し、会の活動と組織と財政の強化、自治体や住民運動との新しい連携を強めなければなりません。 原水協、被団協など共通課題での活動の強化、とりわけ高齢化する被ばく者支援と、政府・自治体の被ばく者施策の充実は喫緊の課題です。 平和・民主団体、労組、各青年組織などとの懇談を企画し連携を深めることも重要です。 本総会を契機に、こうした決意をともに固め合い、国民的共同と連帯をいっそう強化しようではありませんか。 2013年12月1日 非核の政府・非核の東京を求める会第28回総会 |