石原慎太郎氏の核兵器に関する発言録(2)
    「ヤクザ国家には核武装しかない」
     尖閣問題で石原氏が暴言

            (週刊文春2010.10.7号)

 石原慎太郎知事は、尖閣諸島問題に関連して「週刊文春」10月7日号誌上で「日本核武装論」に言及しました。石原氏のこの発言に都民から批判の声があがっています。

日本が核兵器を持っていれば

 石原氏は「中国のやっていることはヤクザと同じ」だと述べ、「もし日本が核兵器を保有していたら、今回の事態は絶対に起こりえなかった」と指摘しました。

核武装論議の本格化を

 また石原氏は、「高い科学技術を駆使した軍事的な備えが不可欠なのは明白」であり「少なくとも、高度な科学技術国である日本が核武装に関する論議を本格的に行うこと自体が、中国に対する強力な外交カードになり得る」と発言。
 こうした発言をうけて、同誌は見出しに「石原慎太郎激白、『ヤクザ国家には核武装しかない』」と報道したものです。



日本も米国と核兵器の共有を−
田母神元空幕長との対談で
2009年1月17日TOKYOMXテレビ

 石原慎太郎都知事と田母神俊雄元空幕長がTOKYOMXテレビでおこなった対談(一月十七日放送)のなかで、核兵器をめぐる危険なやりとりがかわされました。
 田母神氏は、ドイツ、イタリアなどの五カ国はアメリカと核兵器を使う条約を結び(ニュークリア・シェアリングシステム)NATOの枠組みのなかで五カ国の兵隊はアメリカの核兵器を使って日常的に訓練している。これらの国がロシアとか核保有国から核の恫喝を受けた場合には(核の)一定量をドイツやイタリアなどに引き渡し、アメリカが発射権限を渡すという条約になっている。日本は非核三原則を廃棄し、日本もアメリカの核兵器を使用できる「ニユークリアシェアリング」をやるべきだと主張。石原氏は「それは大事だ、私も参院議員のときに非核三原則は阿呆陀羅経だといったことがある」などと賛意を表明しました。
 しかし、田母神氏が例にあげたドイツなどでは、ワイゼッカー元大統領らの有力政治家が「核兵器のない世界に向けてドイツの見解」を発表するなど「核兵器廃絶」を求める大きな動きが広がっているのが現実で


原発  房総の無人の丘陵地につくってもよい
2011年10月28日都知事定例記者会見

石原東京都知事は、10月28日の定例記者会見で、記者から「東京湾に原発をつくってもよい」との過去の発言を問われ、「管理能力がきちんとあれば、どこへつくっても安全」だと言明。「私は東京湾の水際じゃなしに、(千葉県)鋸山とか、房総の、無人の丘陵地があるわけでしょう。ああいうところへつくってもいいわけだ」と述べました。
TPPには反対を表明 またTPP(環太平洋パートナーシップ協定)について問われた石原都知事は、「僕、反対。あんなものは、アメリカの策略で、みんなもうちょっと頭冷やして考えた方がいいよ。日本の経済界は、物が売れない、もっと売りたいと言っているけれど、色々な弊害が出てくる。だから、そういうものをみんな、熟知して議論したらいいんです」と述べました。



近著「新・堕落論 我欲と天罰」(新潮新書・2011年7月20日刊行)」

核実験や核の運搬手段にまで言及し「日本核武装」論を展開

 東京都知事の石原慎太郎氏は、近著「新・堕落論 我欲と天罰」(新潮新書・2011年7月20日刊行)」のなかで、核実験や核の運搬手段にまでふれた「日本核武装」論を展開しています。

 石原氏が、「核実験」にまで言及して「日本核武装」論を展開するのは編集部の調べた限りでは、はじめてのことです。
 同書で石原氏は、広島の原爆死没者慰霊碑の「過ちは繰り返しませぬから」の「自虐的言葉の呪縛」が、技術力があるのに日本の「核兵器の製造保有」をタブーにしてしまったと嘆きます。
 そのうえで同氏は、「日本の国際的地位の確保」のためには、日本の核装備について「国内での議論の誘発、ひいてはそのための技術的方法の検討」が必要だと主張。具体的には、先頃アメリカが行ったように「コンピューターによる核実験のシュミレイションから始めたらいい」と提唱しています。
 また石原氏は、日本には核兵器製造の実力もあり、原料の「プルトニウムを保有」しており、後は運搬機能だと指摘し、運搬手段として「例えば最近宇宙を60億`航行し見事に帰還を果たした小惑星探査機『はやぶさ』のように、太陽光線のエネルギーでとてつもない距離を航行できる手段の採択も考えられるに違いない」と述べるに至っています。
 都民の安全を守るべき都知事の要職にある石原氏が、核実験や運搬手段にまで言及して繰り広げる「日本核武装」論は異常であり、黙過できない発言です。